日本では4月になると、新年度のスタートとともに転勤や異動の連絡が一気に増えます。
当社でも例外ではなく、挨拶や引き継ぎのやり取りが続き、社内が慌ただしく動き始めています。
私自身も、新体制でのスタートに向けて、すべての役職者に対して「職責と役割」を明記した文書を事前に配布しました。
それを読んだ上で、すぐに意思表示を返してくれる人も多く、その言葉の端々から"覚悟"や"やる気"が伝わってきます。
自分らしさに誇りを持つことは素晴らしいことです。
しかし、それが行き過ぎると「我流」になり、モチベーションに頼りすぎる働き方になってしまう。
そうなると、どうしても波が出ます。機嫌の良し悪しが周囲に伝わり、声をかけづらい雰囲気をつくってしまう。
調子が良い日は急に動き出し、周りが振り回されて疲弊することもある。結果として、人が離れていく。
これは、どの組織でも起こり得ることです。
以前、モルドバで4ヶ月ほど仕事をした時のことです。
同じアパートの部屋で生活しながら、毎日一緒に働いた方がいました。
お会いした当初は課長。事業が動き出すと、上司から「課長では相手に弱く見える」と言われ、翌日には部長に。
数年後には社長になっていました。 4ヶ月も同じ部屋で過ごすと、仕事の話から人生観まで、いろいろな会話をします。
私は社長としてサポートに入っていたこともあり、彼が常に気遣いを忘れない姿勢に、心から感謝と尊敬を感じていました。
彼は私よりだいぶ若いのですが、学ぶべき「生き様」がたくさんありました。
賞与が出れば必ず上司や社長にお礼を伝える。誰もやりたがらない仕事を率先して引き受ける。自分が損をしてでも、組織が円滑に回るように動く。言われなくても、必要なことを察して動く。猪突猛進なところもありますが、経験を積むほどにその勢いが"味"になり、個性として磨かれていく。
そんな姿を間近で見せてもらえたことは、私にとって大きな財産です。
人生の中で、こういう人物に出会えることは多くありません。本当に良い巡り合わせだったと思っています。
世の中には、もっともらしい言葉や綺麗な文章で自分を飾る人もいます。
しかし、本質を意識して生きている人、人生を賭けて仕事に向き合っている人から見れば、それらはすぐに見抜かれます。
私自身、50歳を超え、「すべきこと」「すべきでないこと」「人生の謎をどう紐解くか」 そんなことを考える機会が増えました。
離れていく人もいれば、近づいてくる人もいる。それもまた、引き寄せの法則なのかもしれません。
そして、彼と氷室京介さんの言葉は、表現は違えど"同じ本質"を語っていると感じます。
「いくら無様でも、やり続ければ、それは生き様になる」 ― 氷室京介
この言葉は、私の心に深く刺さっています。
どれだけ格好悪くても、続けた人にしか見えない景色がある。その積み重ねこそが「生き様」になる。
今年度も、そんな生き様を積み重ねていきたいと思います。